平素は百十四銀行をご愛顧いただき、心より感謝申し上げます。
2024年4月に頭取に就任して以降、日本銀行による政策金利の引き上げが段階的に行われ、本格的に金利のある世界が訪れたことは、マイナス金利下で収益力の低迷に苦しんでいた我々銀行にとっては大きな追い風となりました。
当行の時価総額は1,000億円を安定的に上回る水準まで回復し、市場からの期待感が高まりつつあることを強く実感しております。
他方、我々銀行を取り巻く環境は、人口減少や少子高齢化といった構造的な問題に加えて、大手資本の参入による更なる競争の激化や、生成AIをはじめとする技術革新を背景に引き起こされるパラダイムシフトといったように、
刻々と、また劇的な変化の中にあります。そのため、これらの動きにスピード感をもって対応することができなければ、ステークホルダーの皆さまが持つ当行への期待感は、すぐに薄れてしまうという強い危機感も、常に持っております。
変わりゆく環境の中で「当行自身が変わらなければいけないこと」と「決して変えてはいけないこと」がございます。後者は、とりわけ、我々の事業活動の最も重要な基盤であり、成長の源泉である地域社会への感謝の気持ちであり、
経営理念に掲げる「お客さま・地域社会との共存共栄」に込められた想いを、今一度、深く心に留め、経営に邁進してまいります。
さて、2025年度は、中期経営計画の最終年度であると同時に、次期中期経営計画の発射台にもなりますので、今後の当行グループの成長曲線を明確に描いていくうえで、非常に重要な1年です。
これまでよりも一段高いステージを見据えて、めざす高みに向け、グループ一丸となって、飛躍的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいる所存です。
今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、深くお願い申し上げます。
取締役頭取